【書評】ふたりのきほん100♢松浦弥太郎♢パートナーシップに悩む全ての人へ
何回でも立ち戻りたくなる本。
そんな本にようやく出会うことができました。
パートナーシップに悩んでいる全ての人へ

Editer:松浦弥太郎
Published:2021年4月30日
BPC:株式会社光文社
出会ったばかりの頃は、相手への好きという感情だけで、
全てが解決できたかもしれませんが、
ある一線を超えて、わたしとあなたというふたりで日々と向き合うようになると、
そこには守りあったり、わかち合ったり、生かし合ったり、そして愛し合ったりという、
誰も教えてくれない、かんたんなようでとても難しい、
いわば、パートナーシップのきほんを考えるようになります。
本文より
この本を手に取った時、私自身は
「パートナーシップってどうしたら上手に組めるのだろう」
「どうしたらもっとお互いが心地よく日々を送れるだろう」
と悩んでいた時期でした。
私には、当時彼氏(今の旦那さんです)がいて、
性格は真反対。好きなことや趣味も全然違う。価値観だって全然違う。
付き合った当初から、全く気づいていなかったわけではないですが、
2年目から同棲をし始めて、【一緒に日々を送る】【生活を共にする】となってからは、
やはり、向き合わなければいけないことが、それはもうたくさん出てきました。
たくさんぶつかり合い、悩み、もう一緒にいない方がいいのでは?と思うこともありました。
それでも、そんなことが合っても
もう少し頑張ってみたい。まだ一緒にいたい。と思う気持ちを大事にしたかった。
他の人達はどうやってうまくやっているのだろう? 悩んでいたりしないのかな?
そう思っていた時に、たまたま本屋でこの本を見つけたのです。
そして、この本を読んでからは、
彼への接し方が大きく変わり、今ではぶつかることもほとんど無くなりました。
最近は、穏やかで温かな空気が2人の間に流れているのを感じて、
心から満たされた気持ちになるほど、仲良しになりました。
でも、人は1日では変われないし、すぐに忘れてしまう生き物だから、
何回も読み直し、「そうだった。そうだった」と思い出しては、実践するようにしています。
些細な日常の中で伝えられる愛の形
本の構成はとてもシンプルで、以下の3章からなっています。
各ページの左側はシンプルなメッセージ、右側にはその説明が書いてあります。
最終章は、自分自身での記入形式の章です。
✏️ 目次
・わたしからあなたへ100
・ふたりのための100
・あなたのきほん100
最初の、「わたしからあなたへ100」の全体を通じて感じたことは、
日常の些細な瞬間や行動の中で、愛情を伝えていくことが大事なのだなということでした。
それは何か改まって「愛している」と伝えることだけではなく、
ほんの少しの、スプーン一杯ほどの思いやりで十分です。
お互いが今日も元気に、心地よく過ごせるように、
まずは自分から、ちょっとしたことをしてみるということ。
そしてそれは何か無理をしたり、自己犠牲の中から生まれるのではなくて、
優しく、温かく、心の内側からそっと湧いてくる感情なのだと思うことができました。
そして、そんな考え方になる前提を、学ぶことができたのです。
わたしからあなたへ。まずは、わたしにできることはなんだろうと考えました。
あなたとの日々の中で、わたし自身が学べる新しさとはなんだろう。
それはとても繊細で、ときには稚拙で、わたしなりのひとりよがりかもしれません。
けれども、あなたとの今日と明日、未来のために、
思いつくかぎりの精一杯をよろこびとして、
そのひとつひとつを、ふたりのために確かめ合っていきたい。
本文より
例えば、
毎朝気持ちよく挨拶をすることや、なるべく下を向かないこと。
それぞれの1人の時間を大切にすることや、信用するということ。
小さなことのように感じますが、どれも2人が心地よく過ごせるように、
自分から与えられることですよね。
そして、ひとつひとつのメッセージに添えられている、
筆者の松浦さんの説明がとっても温かくて優しい✨


毎日の中で、日々こんなふうに考えられることができたら、
パートナーシップはとても温かくて、いい関係を築くことができるのだろうな、と思いました。
ふたりでゆっくり焦らず作り上げていくこと
これからわたしはあなたとふたりで、
いろいろさまざま、楽しいことだけでなく、つらいことも分かち合っていきたい。
そのとき、それを明るく受け止めて、乗り越えてしまえるような、強さ、健やかさ、
ほがらかさ、賢さを学びとっていきたいのです。
そのために、ふたりでと語り合っていきましょう。
互いがよきパートナーであるために、ふたりの日々を大切にするための、
気づきや学び、それぞれが自由であるための教訓、これからのふたりの物語を。
本文より
与えることが大事、と先程書きましたが、
とはいえ、パートナーシップはひとりではなく、ふたりで築いていくものです。
だからこそ難しい。
でもだからこそ、何事にも変えがたい強固なものになると思います。
「ふたりのための100」では、
パートナーシップはゆっくりゆっくりと、時には寄り道をしながら、じっくりじっくりと育てていくものなのだと、
感じました。
きっと真面目な人ほど、正解探しをしてしまったり、
早く結果を求めてしまったり、自分を責めてしまいがちかと思います。私もそうです。
でもパートナーシップに関わらず、人間関係に正解はないから。
何回もトライアンドエラーで、実践していくしかないのですよね。
そういう意味では、ぜひこの本をパートナーと一緒に読んでほしいです。
お互いに気づくことがあったり、今の関係を見つめ直す良いきっかけになると思います。


終わりに
パートナーシップや恋愛にまつわることは、
もちろん素敵なこともたくさんありますが、悩むこともたくさんありますよね。
最近はSNSや本でも、恋愛マニュアルや、ノウハウに関する投稿が増えてきたように思います。
ただ、私の場合は、そういった類の投稿を見るたびに、自分を責めてしまったり、
落ち込むことが多かったです。
この本では、
優しく、温かく、パートナーシップのあり方を伝えてくれます。
それは、筆者の松浦さん自身が、何かあった時にこの本に立ち戻ろうと、
1ページ、1ページ、手紙のように心を込めて書き綴ってあるからではないでしょうか。
恋愛やパートナーシップについての本で、
今まで心からお薦めできる本にあまり出会えなかったのですが、
この本は自信を持ってお薦めできる一冊です。
皆さんもよろしければぜひ読んでみてくださいね✨
✏️ Editor’s Profile
松浦 弥太郎 まつうら やたろう
「くらしのきほん」主宰 / エッセイスト2005年から「暮しの手帖」編集長を9年間務め、2015年7月にウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。2017年、(株)おいしい健康・共同CEOに就任。「正直、親切、笑顔、今日もていねいに」を信条とし、暮らしや仕事における、たのしさや豊かさ、学びについての執筆や活動を続ける。著書多数。雑誌連載、ラジオ出演、講演会を行う。中目黒のセレクトブックストア「COW BOOKS」代表でもある。
https://kurashi-no-kihon.com/info/profile_matsuura